私立!妄想学園

日常編

妄想学園とは。
「つもりんっていくつくらいかな?」「案外ヒロさんと同い年だったりして」「きゃ☆同級生ねvv』という深夜2時過ぎの無法地帯なチャットで生まれたパラレル学園ストーリーです。
ちなみにお話はいつもEuphoriaの常盤さんと考えていますvv(←ちゃっとで萌え萌えしながら原案が出来、それを私が書いてるだけですw)
自分たちの萌えに従って、萌えるシーンのみを書く!というコンセプト。
自分の、自分による、自分のためのストーリー!!(きっぱり)

基本はオフ本の連載がメインで、こちらにはそのサイドストーリーが載っています。
単独でも楽しんで頂けるとは思いますが・・・

※※野分は出てきません。野分がいない世界観だからこそ割り切って楽しめる♪という方のみ続きからどうぞ!※※




適度に混んでいるような、適度に空いているような電車の中。
弘樹は電車の揺れにあわせて時折触れる肩に、その都度ドキドキしていた。
今日はまた弘樹の家へ津森が夕食を食べにくる日だ。
弘樹の母親がしきりに誘うのもあるし、実際津森の食生活を弘樹自身が心配しているのもある。
アレ以来、弘樹が津森の部屋に泊まることもあるけれど、食事に関してはそれで改善される訳ではない。
「楽しみだなー、鍋かなー♪」
車窓を眺めながら、津森がつぶやく。
「はぁ?この暑いのに鍋がいいの?お前」
「そ。鍋がいーの」
初めて弘樹の家に来た時に食べて、弘樹が津森の部屋に行った時に食べたのも鍋で。以来ことあるごとに津森は鍋を食べたいという。
色々それにまつわるモノゴトというかデキゴトを思い出して、弘樹はいたたまれない気分になるのだけれど。
「わかった。母さんにメールいれとく」

**

駅を出て家までの道を歩く。
大きな屋敷の並ぶこのあたりは、あまり人にもすれ違わない。
「上條—」
「ん?」
隣を歩く津森がそっと弘樹の耳元に唇を寄せる。
「手ぇ繋いで歩く?」
「んなっ!な、何を言って、何を馬鹿なこと言ってるんだ!」
途端にぼん、と弘樹の顔が赤く染まる。
相変わらずのその反応を、くく、と笑って、そして弘樹の手を取ったのだった。
「は、はなせよっ」
弘樹が恥ずかしそうにじたばたするのを笑ってやり過ごす、そうしながら歩いていると、前方から大きな犬が走って来た。
このあたりの街並みに似つかわしい、その毛並みの良い犬は一目散に弘樹のもとに駆け寄り、そのままの勢いで飛び掛った。
「うわっ、ア、アレキサンダー?!」
犬の勢いによろめきながら弘樹が名前を呼ぶ。
ベロベロと顔を舐められながら、よしよしとその犬を撫で
「コイツ、秋彦んちの犬なんだけど。なんで庭から出てるんだろ」
津森に説明しながら、きょろきょろと飼い主の姿を探すと
「アレキサンダー!!・・・弘、上條様?あぁ申し訳ありません、ちょっと目を離した隙に飛び出しまして」
きちんとスーツを着こなした男性があわててやってきた。宇佐見家の執事だという。
その男性と言葉を交わしてから弘樹の家の門をくぐる。

「なぁ、お前犬嫌いなの?」
玄関を開けながら弘樹が問いかけると、津森は片眉を上げてなんとも言えない困ったような表情をした。
「キライっつーか・・・うん、まぁ。そうかも」
歯切れの悪い津森の答えに、弘樹はピンときたようににやぁと笑う。
「もしかして犬コワイとか?」
いつも余裕ぶったこの同級生(・・・恋人!)の弱みを握れるチャンスかもしれないのだ。
「コワかねーよ」
「まぁまぁ。アレキサンダーとかデカイもんなー」
「デカイからコワイとか、つかそもそも怖くねーっつーの」
「えー」
わいわいと言い合っていると、弘樹の母親が出迎えた。
「お帰りなさい、ヒロちゃん、津森くん」
「ただいまー」
「お邪魔します」
それぞれに挨拶を交わし、靴を脱いで上がる。
「津森くん」
弘樹の母が津森だけを呼びとめ
「おかえりなさい」
「・・・た、だいま・・・」
照れくさそうに津森が答えるのに満足気に微笑んでからお茶の用意にキッチンへと戻り、その様子に弘樹もまた笑みを溢したのだった。

**

弘樹の部屋で、夕食までの間を過ごす。
大阪のおばさんが持ってきてくれたという『出入り橋きんつば屋』のきんつばを食べながら、先に口を開いたのは弘樹のほうで。
「で、やっぱコワイんだろ?」
嬉々として問う弘樹を見遣りながらお茶を飲み干して、津森が答える。
「犬は・・・なんつーの、こう、"全身全霊で愛してます!"ってカンジが辛いってか、苦手。あの100パーセントなカンジが」
淡々と語られた言葉に、弘樹の心はずきりと音を立てて痛んだ。
100パーセントの愛情が苦手だという。そんな寂しいことを言う。
弘樹が返す言葉を見つけられないでいると
「ばぁか、なにお前がんな顔してるんだよ」
津森のほうが笑って弘樹を引き寄せ膝の上に抱き上げた。
そのままちゅ、と弘樹の目元に口付けてから
「オマエのならウェルカムだけどな」
至近距離でニヤリと微笑まれて、恥ずかしさから弘樹は顔を背けようとするが、それは叶わず津森の唇に捕まる。
「ん・・・っ」
まただ。
本当はもっといろいろ聞きたいのに、知りたいのに、いつもこうして流される。
ぐずぐずにされて、結局なにも聞けないまま、知らないままだ。
「やだっ」
力の入らない手で押し返すと、離れた唇からつぅと銀の糸が伝い、それがまた弘樹の羞恥を煽る。
「やなの?」
「やじゃなくてっ」
「やじゃないんだ?」
「そーじゃなく!」
墓穴を掘っているような、かみ合わないような、そんな応酬を続けた後、弘樹は津森の肩口に顔を埋める。
顔を見ては、言えそうにない。
「だって、オマエ全然自分のこと話さないじゃん。なんか、もっとこう・・・話してくれても、別に相談とかそういう意味でなくても・・・だって」
「だって、恋人なんだし?」
「茶化すんじゃねぇよ」
どん、とその胸を叩くと、よしよしを頭を撫でられた。
「んー?そんなお前の聞きたいようなことは何もねぇよ?」
津森はそう言い終わらないうちに弘樹のピンクに染まった項に口付け、背を撫で上げる。
「・・・っ」
ぴくりと弘樹が反応したのを合図に頬に手を添えうっすら開かれた唇の間から舌を差し入れて絡ませる。
「ふ・・・ンっ」
甘い声が漏れ、深く絡めるほどに津森のシャツを握る手に力がこもる。
縋るようにシャツを掴む手をゆっくり外し、首に回させる。角度を変えて口付けながら、薄いシャツの上から胸の突起を引っ掻くと、弘樹の体が大きく撓った。
一度唇を解放する。はっはっと呼吸を整えながら、弘樹はくったりと津森にもたれかかった。
先日、初めて体を繋げたばっかりで、慣れている訳ではないのだ。むしろこの先があることを知ってしまったせいで体はより快感を拾い上げようとしたり、あるいは緊張してこわばってしまったりと忙しい。
「馬鹿、もうすぐメシなのに・・・っ」
体温の上がってしまった自分の体を自覚しながらも弘樹が文句を言うと、津森は笑って
「そーだなぁ・・・じゃぁ後にする?あー、でもなー」
弘樹の手を取って、自身の熱を持ち始めた部分へ導く。
「なっ」
驚いて手を引こうとするのを許さずに、そのまま抱き込み耳元で話し続ける。
「もうね、お前のこと抱きたくてしかたねー」
津森のその言葉に、全身にずくりと快感が走るのを感じながらも弘樹は最後の理性でもってあらがう。
「な、なに言ってんだ、よ・・・」
語尾が小さく消えて行く。なぜなら自分だって本当はそう思っているから。
「お前は?違うの・・・?もーシたくねぇ?」
津森の直接的な問いかけに答えることが出来ずもごもごと口ごもってしまう。
けれどもその赤く染まった肌や、上昇した体温でバレバレだとも思う。
でもだからといって素直に答えることなんて出来ずにいると
「ヒロちゃーん、津森くーん!用意できたわよ、いらっしゃい」
母親の呼ぶ声がし、その絶妙なタイミングに思わず二人顔を見合わせて笑ってしまった。
「じゃぁメシ行くかー。あとでしような〜」
津森が弘樹を膝の上からおろしながら言う。
「し、しねぇよっ!」
「えー、しないの?」
「〜〜っ」
そうしてまた弘樹は若干涙目で居間へ行くことになったのだった。
結局今日もごまかされてしまったなぁと思いながら。

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